消防士を目指すか悩んでいる人へ|後悔しないために知っておくべきこと。

体験談

はじめに|憧れだけで決めてしまわないために

消防士は、多くの人にとって「かっこいい」「安定している」職業です。
一方で、実際に働いてみないと分からない厳しさや違和感があるのも事実です。
この記事では、元消防士の実体験をもとに、
消防士を目指す前に知っておいてほしい「デメリット」を整理してお伝えします。
不安を煽る目的ではなく、「後悔しない選択」をするための材料として読んでもらえればと思います。


デメリット①|令和の今でもハラスメントは存在する

結論から言うと、消防の現場にもハラスメントはあります
もちろん、すべての職場・すべての人がそうではありませんが、
構造的に起こりやすい環境があるのは否定できません。

なぜ起こりやすいのか

消防署は、人事異動があっても

  • 同じ署内で顔ぶれが大きく変わらない
  • 上下関係が強く、閉鎖的になりやすい

といった特徴があります。
その結果、問題が表に出にくく、組織としての自浄作用が働きにくい場合があります。

「市民のため」という無敵の言葉

現場では、

  • 怒鳴られる
  • 暴言を吐かれる
  • 時には手が出る

といった行為が、
「市民のため」「税金をもらっている」「現場は危険だから」という大義名分で
正当化されてしまうことがあります。

外から見れば明らかなハラスメントでも、
当事者になると

「確かに自分が悪いのかもしれない」

と、被害者自身が思い込んでしまうケースも少なくありません。

「いじられ文化」に違和感を持てるか

私が消防を辞めた理由の一つが、この文化でした。

私の所属では、

  • 加害側:「可愛がっている」「コミュニケーション」「反応が面白い」
  • 被害側:「構ってもらえている」「いじられなくなったら終わり」「構ってもらえておいしい」

という歪んだ構図ができあがっていました。

正直に言って、「きもちわりぃ」と感じました。
これを当たり前として受け入れてしまったら、
自分の中のモラルが壊れてしまうと思ったからです。

向いている人

  • ある程度のことを受け流せる人

向かない人

  • 繊細で、言動を深く受け止めてしまう人

デメリット②|健康面への負担は想像以上

消防士の働き方は、一般的な生活リズムとは大きく異なります。

交代制勤務の現実

「慣れれば楽になる」と言われることもありますが、
実際には身体にダメージが蓄積していきます

慣れたように感じる正体は、
「ダメージに気づきにくくなっただけ」という場合も多いです。

夜中に出動すれば、その分手当はつきます。
しかしその分、確実に体は削られています

消防署の食事事情

消防署で作る食事は、正直に言うと健康第一ではありません。
「身体に優しい薄味メニュー」なんかは非難轟々を浴びるでしょう。

  • 味は濃いめ
  • 油や調味料は多め
  • 美味しさ重視

そのため、健康を意識して

  • お弁当を持参する人
  • 食事量を調整する人

もいます。

さらに、出動優先のため
昼ごはんを夜に食べる、ということも普通に起こります。
人間らしい生活リズムは諦める覚悟が必要です。

向いている人

  • 休日や非番にしっかり回復できる人

向かない人

  • 疲れが残りやすい体質の人

デメリット③|想像以上に辛い訓練

消防の訓練は、率直に言ってかなり厳しいです。

特に夏場は、

  • 防火衣を着た状態で
  • 炎天下を動き回り
  • 休憩も最小限

という状況が続きます。

息が上がり、足が震え、
「立っているだけでもきつい」と感じることもあります。
それでも訓練は続きます。

この訓練は、
現場で市民や仲間の命を守るために必要なものです。
ただし、覚悟なしで耐えられるものではありません。

向いている人

  • 体力的な限界を越える経験に意味を見いだせる人

向かない人

  • 暑さや極度の疲労に弱い人

デメリット④|体力だけでなく「勉強」も必須

消防士は、体力があれば務まる仕事ではありません。

消防法と建物の知識

消防士は、
建物に設置される消防設備(消火器・スプリンクラーなど)について
消防法に基づいて指導する立場でもあります。

基準は非常に細かく、
間違った指導をすれば大問題になります。

例えば、
本来スプリンクラーが不要な建物に
「設置が必要です」と誤って指導してしまった場合、
何千万円もの損害が出る可能性もあります。

だからこそ、

  • 条文を読む力
  • 数字や条件を正確に理解する力

が求められます。

向いている人

  • 数字や規則に苦手意識がない人

向かない人

  • 下調べや確認作業が苦手な人

まとめ|華やかさと高給には理由がある

住民から頼りにされて、給料がよくて、休みが多い。
そこだけをみて現実とのギャップを知って早期退職をする人を得私は多く見てきました。

組織は簡単には変わりません。デメリットも含めて「消防士になりたい!」とお考えでしたら、
こういった過酷な環境での上手な泳ぎ方を見つけていくのが何より大事です。
憧れで自分をこわさないために、後悔ない選択をしていってください。

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